御影石に荒縄のシミがついてお困りでは、ありませんか? これは、新築工事のとき、御影石を輸送する際、御影石を荒縄で縛ったためにできる汚れです。「その荒縄の茶色い色が、白の御影石に染み込んでしまい取れなくなってしまった」というお問い合わせがありました。
しかし、こうなってしまったら、もはや掃除して取れるレベルの汚れではありません。
例えていうなら、白色のTシャツに、しょう油かコーヒーをこぼしてしまい、知らずに放置して数日経った……というような、しっかり染み込んだ状態を想像してください。
■ おそうじポイント
そんなシミ汚れは、漂白するが一番ということで、テストしてみました。
①アクロンAB2倍希釈液で御影石を洗います。
まずは、表面の汚れをしっかり掃除します。この工程重要です。漂白剤を、シミに素早くアタックさせる為にも、汚れという障害物を取り除く必要があります。
【そうじ前】御影石 おもて面
【そうじ前】御影石 うら面
②荒縄のシミを漂白する為、ハイスキット4倍希釈液で浸け置きます。
袋で閉めてください。次亜塩素成分を飛ばさないようにして、漂白効果を持続させてためです。)
③御影石の右側部分を浸け置いた、2日後の状態です。
結構反応がありました。
おもて面 右側だけつけ置き2日間
うら面 右側だけつけ置き2日間
④さらに御影石の左側部分を浸け置いた、2日後の状態です。
表面のシミは、いいところまで落ちました。
おもて面 左側だけつけ置き2日間
うら面 左側だけつけ置き2日間
⑤ノーベルAB10倍希釈で、全面浸け置き7日後の状態です。
大きい容器に移し、最終仕上げに別のシミ抜き剤を使用し、7日間放置しました。『ハイスキット』より強めの洗剤『ノーべルAB』を使った理由は、洗剤効果を測定するためです。強めの洗剤『ノーべルAB』でもキレイになるのか?内部に染み込んだ、あと少しの頑固なシミにも効くのか?を確認しました。結果、十分キレイに除去することがで きました。
おもて面 全面つけ置き7日間後の状態
うら面 全面つけ置き7日間後の状態
◆お掃除アドバイザー内池の感想
今回の御影石に染みは、もはや汚れの領域を超えております。素材内部に染み込んだ汚れは、洗剤で洗っても簡単に落ちるものではありません。
私がテストで成功したのは、たまたまかもしれませんし、この方法が必ずしも確かとは言い難いのです。
【施工業者の方】は、施工にあたる際には、ご依頼主様とのしっかりとした、事前説明が重要です。
【ご依頼主の方】におかれましては、簡単な掃除と認識されずに、これは手間がかかる!とご理解ください。ある時は、うまくいく!またある時は、うまくいかないことも多々ある、と認識ください。
●使用ケミカル
アクロンAB、ハイスキット、ノーベルAB
●所要時間
11日間程度