ここでは、カーペット清掃の基本を解説します。
次のような方に向けた 掃除方法です
・これからカーペット清掃を仕事として始めたい方
・今までカーペット清掃をしているが基本を勉強したい方
・プロではない施設スタッフの方が、自前でカーペット清掃を行いたい
とお考えの方です。
カーペットは、ハードフロアーと比べて汚れが目立ちにくい床材です。「汚れてきたな」 と感じるようになったら、かなり汚染は進んでいます。そのときにカーペット清掃を考えたのでは、清掃に時間やコストがかかったりします。
カーペット清掃は汚れが目立つ前に早め早め、計画的に行うことが重要です。計画的に効率よくカーペット清掃をすることで美観を保ち、カーペットの寿命をのばすことで、張替えも含めたトータルコストの削減を図りましょう。
■カーペット清掃の計画を作成する上で、重要な予備知識として 以下の3つを解説していきます。
①カーペットと汚れの関係 (カーペットの特性は?)
②カーペットの汚れの分類 (付着する汚れの特性は?)
③カーペットの汚れる場所 (汚れるのはどこから?)
①カーペットと汚れの関係 (カーペットの特性は?)
カーペットは、1m2当たり、最大5kgの土砂が入っても、パイルの中に土砂が隠れて汚れていないように見える構造です。靴底について運ばれた土砂などの汚れは、ダストスポットに入り込んで表面には見えません。
◆カーペットパイルの拡大写真
カーペットパイル素材自体も乱反射を起こすような構造の為、汚れが見えにくく、また汚れが絡みやすくなっています。
②カーペットの汚れの分類 (付着する汚れの特性は?)
土砂、粘土 | 45% |
乾いた土砂やホコリ汚れ 80%
|
石こう | 5% | |
石灰分 |
5% |
|
毛、動物繊維 | 12% | |
綿、木材、紙 |
10% | |
水分 |
3% | |
油、 その他 |
20% |
油性の汚れ 20% |
汚れの約80%がバキューム作業で除去できます。
カーペットにおける汚れの80%(重量比)は、乾いた土砂等のホコリです。よって、ドライバキュームで除去可能です。しかし、ポット型の掃除機では、パイルの間(ダストスポット)に入り込んだ汚れを、かき出し切れませんので回転ブラシ付きのアップライトバキュームが必要です。
③カーペットの汚れる場所 (汚れるのはどこから?)
カーペットの汚れは、入口付近から汚れが蓄積します。カーペットが汚れを収容しきれなくなると、徐々に汚れの範囲を広げていきます。汚れの広がり方も特定 の場所に集中しますので、汚れる場所を徹底的に清掃することによりカーペット全体の美観を維持することができます。